ギャラリー

「世界の船旅」スタッフこぼれ話 - 2013年07月号


雑誌「クルーズ」に好評連載中の「世界の船旅」CRUISE誌上放映。
2013年5月27日発売の2013年07月号に掲載された内容をご紹介します。

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「エンセナダの岬めぐり」

 メキシコのエンセナダでカヤックツアーを取材しました。有名なラ・ブファドーラ岬を海から眺めるというツアーは大人気。参加者に混じって小さなカヤックで海に漕ぎ出しました。

しかし、撮影しながらでは、どうしてもツアーに遅れます。「こっちだよ!」と呼ぶインストラクターの声に焦りを感じ、漕ぐ。撮る。漕ぐ。撮る。を必死に繰り返しました。40分ほど経ったころ、ついにラ・ブファドーラ岬が見えてきました。

koborebanashi_2013_07-img1b「思ったより普通だな・・・・・・」などと思った瞬間、断崖の裂け目から天空に向かって高さ10数メートルもある水柱が上がりました。参加者からも一斉に歓声が。

ところが、岬に寄せる波の力が強く、今度はカヤックが徐々に岬の岩盤に引き寄せられていきます。「間違って吹き上げられたらどうなることやら」と心配しながら今度は逆方向に、漕ぐ。撮る。漕ぐ。撮る・・・・・・。

koborebanashi_2013_07-img2a「ジブラルタルの猿」

「いくら猿好きでも、長すぎますよ」と、撮影素材を見ていた新人君がぼやきました。モニターにはノミを取ったり、歯茎を見せて威嚇する猿の姿が延々と映し出されていました。

 イギリスの海外領土であるジブラルタルの、港を見下ろす山に生息する「バーバリーマカク」という猿です。この猿が山からいなくなると英国はジブラルタルを失うと言い伝えがあり、第二次世界大戦中には、チャーチル首相が猿の保護を命令したともいわれています。

koborebanashi_2013_07-img2b この逸話を紹介するために猿の映像をたくさん撮ってきたのですが、それを知らない新人君は、カメラマンが猿好きだと勘違いしたようです。チャーチルの話をすると新人君は、「そう言われると、なんだか立派な感じがしますね」と今度は急に褒め始めました。

 それを見ていた編集マンが一言「猿より単純」とつぶやきました。

koborebanashi_2013_07-img3a「カーニバルの夜」

 ブラジルのリオデジャネイロに停泊中、地元のダンサーたちが乗船し、カーニバルさながらのセクシーな衣装を着て、にぎやかなダンスを披露してくれました。船内は、ブラジルの陽気な雰囲気と興奮に満ちあふれました。

 ところが浴日、ちょっと変わったうわさを耳にしました。女性ばかりと思っていたリオのダンスチームの中に、ニューハーフ(女装の男性)が交じっていたというのです。あくまでうわさで真偽のほどは分からないのですが、しばらくリオの夜のことが頭から離れませんでした。帰国後、編集マンとともに素材を一生懸命見返しましたが、どうしても分かりません。

koborebanashi_2013_07-img3b「男か女か分からないなんて、酔っ払ってたんじゃないの?」と言っていたデスクも最後には「見分けつかないわね」と納得の様子。情熱的なリオの夜は結局、謎を秘めたまま終わったのでした。

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