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「世界の船旅」スタッフこぼれ話 - 2017年6月号


雑誌「クルーズ」に好評連載中の「世界の船旅」CRUISE誌上放映。
2017年4月27日発売の2017年6月号に掲載された内容をご紹介します。

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第259話 オーステルダム
神秘の氷河と大自然!魅惑のアラスカクルーズ

船名:オーステルダム (ホーランド・アメリカ・ライン) 総トン数:8万2305トン

船名:オーステルダム
(ホーランド・アメリカ・ライン)
総トン数:8万2305トン

世界遺産グレーシャー・ベイの氷河崩落、エキサイティングな犬ぞり体験、野生動物に会えるツアーなど、大自然の宝庫・アラスカを満喫。上質なホスピタリティーでとっておきの時間を演出してくれる人気のプレミアムシップを紹介します。

「会えなければ……」

koborebanashi_2017_06_259_02客室の8割がバルコニー付きという優雅な客船で、野生動物の楽園アラスカをめぐるというギャップが魅力の船旅。自然が相手の取材は野生動物に出会えるかどうかが成功のカギを握ります。特に私は動物に縁がないらしく、これまで動物の宝庫と呼ばれる密林に入って結局カモメしか撮れずに帰ったこともありました。

koborebanashi_2017_06_259_03「もし動物に会えなかったら……」という不安が拭えないまま、アラスカ州南部にあるシトカで「シトカ・オッター(ラッコ)クエスト」を取材することになったのです。ツアーの小型船に乗り込むと「この海は生命にあふれているから、もし動物に出会えなければ代金をほぼ全額お返しするよ」と船長が自信満々に説明してくれたのですが、こちらは「ちょっとカモメが見られるだけじゃないでしょうね」と半信半疑でした。

koborebanashi_2017_06_259_04しかし、その心配は杞憂に終わりました。出発するやいなや、野生のラッコの群れに遭遇。穏やかな海の上に浮かぶ可愛いラッコたちに乗客たちは大はしゃぎです。さらに小型船がシトカ湾の真ん中まで進むと、船の前方に体長15メートルを超えるザトウクジラのカップルが現れたのです。潮を噴き上げ、巨大な尾が海面でローリングする様子は圧巻。その後もさまざまな動物と遭遇し港に帰りました。船を降りるとき「ほら、言った通りだろう!」と勝ち誇った様子で見送る小型船の船長の笑顔が実に印象的でした。

第257話 ロイヤル・プリンセス
豪華客船で巡る地中海美食クルーズ

船名:ロイヤル・プリンセス (プリンセス・クルーズ) 総トン数:14万2714トン

船名:ロイヤル・プリンセス
(プリンセス・クルーズ)
総トン数:14万2714トン

約40メートル下の海面が見渡せるガラスの回廊「シーウオーク」や洋上初のテレビスタジオ、水と光が織り成す幻想的なウオーターショーなどが人気の優雅な客船です。地中海の絶景をゆったりとめぐるクルーズの魅力を紹介します。

「船旅でぽっちゃり?」

koborebanashi_2017_06_257_02英国のキャサリン妃が命名したこの客船。シャンデリアやオブジェが輝く3層吹き抜けのアトリウムには10店舗以上のショップやカフェが連なっています。豪華な設備だけでなく、美食もテーマになりそうだと考え、可能な限りカフェやレストランを取材しました。本場の焼きたてピザが食べられるピッツェリアに、製作過程を眺められるお菓子のオープンキッチン。ディナーにはロブスター、エスカルゴ、牛肉のパイ包み焼きなど絶品が続きます。

koborebanashi_2017_06_257_03寄港地でも、アテネでは日本の焼き鳥のような羊肉の串料理「スブラキ」、ナポリでは千夜一夜物語のアリババにちなんだお菓子「ババ」。さらにエクス・アン・プロヴァンスでは創業240年以上というカフェのデザートが。ババロアの中にアプリコットジャムが入ったおしゃれなデザートで、セザンヌやピカソも芸術論を戦わせながら食べたと言われています。おいしそうな料理やお菓子がたっぷり撮れて意気揚々と帰国しました。

koborebanashi_2017_06_257_04ところがデスクに報告をしていると、じっと顔を見つめられ「出発前より太ったわね。さぼってたんじゃないの」と言われてしまいました。「真面目に取材したからですよ」と必死に釈明するのですが、テカテカの額とふっくらとした頬では全く説得力がありません。たとえ仕事といえどもおいしい物を求めてしまう……船旅の醍醐味、いや宿命を実感したのでした。

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