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「世界の船旅」スタッフこぼれ話 - 2016年5月号


雑誌「クルーズ」に好評連載中の「世界の船旅」CRUISE誌上放映。
2016年3月28日発売の2016年5月号に掲載された内容をご紹介します。

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第216話 アリア・アマゾン
5つ星★客船で巡る 秘境アマゾン冒険クルーズ

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五つ星ホテルに並ぶサービスを誇るリバー客船「アリア・アマゾン」で、ジャングルを進みます。色とりどりの鳥や、は虫類、子供が乗れるほど巨大なハスの葉など南米ならではの珍しい動植物と出会える、驚きに満ちた秘境アマゾン川のリバークルーズです。

「猿の楽園」


今回は、ボートでジャングルの奥深くに入るなど冒険色の強い船旅ながら、個性的な食事が充実していました。緑の中を抜けてくる風を肌で感じながら食べるランチなどは、まさに大自然を一緒に食べたような気持ちになります。

koborebanashi_2016_03_216_02このボートツアーに同行して撮影していたときのことでした。入り組んだ水路をいくつか曲がり、うっそうと木々の茂る密林に囲まれた場所にボートが差しかかると、ガイドが声を潜めるよう指示しました。そこは多くの種類のサルが共存する通称「猿の楽園」。尻尾を使って器用に細い枝にぶら下がるクロクモザルなど、日本では見たこともないようなサルが次々と現れ、人懐っこい仕草を見せてくれます。

koborebanashi_2016_03_216_03それらを狙ってカメラを頭上の枝に向けているとき、突然ボート上で「ワオッ」という声が上がりました。小柄なフサオマキザルがボートに跳び移ってきたのです。私は思わず、手荷物を握りしめ身構えました。というのも以前、日本で取材中に大事な収録テープをサルに持っていかれたことがあったのです。

koborebanashi_2016_03_216_04しかし南米のサルたちは違いました。彼らは乗客が手にしたえさのバナナをおとなしく受け取ると、また森に帰っていったのです。ボート上は突然の来訪者に拍手喝采。乗客も「アメイジング!」と大喜びの様子でした。この森は、自然が与えてくれる驚きに満ちていると実感した瞬間でした。

第213話  カーニバル・フリーダム
イタリア・フランス 歴史の町並みを訪ねる旅

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乗客を楽しませることに重点を置いたカーニバルの「ファンシップ」で、リボルノ、ドブロブニクなど人気の寄港地をめぐります。次々と現れる絶景と、飽きることのない充実した施設やイベントが満載の人気クルーズを紹介します。

「胸毛への誘い」


取材中、クルーズディレクターに「君も出場しないか?」と、あるコンテストに誘われました。それは、カーニバル名物の「胸毛コンテスト」。男性のたくましい胸毛を競い合うというものです。もちろん私は「とても無理ですよ」とその場で丁重にお断りしました。

koborebanashi_2016_03_213_02ところがその夜、仕事を終えて船内のラウンジバーでお酒を飲んでいたとき、同行したカメラマンが急に真剣な顔つきで「このままだと番組を盛り上げる核がないから、君も胸毛コンテストに出ようよ」と言い出したのです。「冗談はやめてくださいよ」と軽く受け流そうとしたのですが、獲物を狙うような鋭い目つきのカメラマンが「荷物なら俺が持つから」「段取りは任せてくれ」などと妙に親切な口調で説得してきます。

koborebanashi_2016_03_213_03なんとか話をそらそうとしたのですが諦めてくれません。もはや断る理由も出尽くしたとき、ラウンジに歌手の歌声が響きました。「オーソレミーヨ〜」。それを聞いた私は、ラフな格好の男性客を指差して「おお。それ、見よ!」と言ったのです。その胸元にはふさふさの胸毛が生えていました。

koborebanashi_2016_03_213_04カメラマンもそれを見て冷静になったのか「あれにはかなわないな」と諦めてくれたのです。ちなみに、本番のコンテストに出場したのは見事な胸毛と肉体を持つ豪傑ばかり。女性たちの黄色い声援を聞きながら、私は「本当に出なくてよかった」と胸をなで下ろしたのでした。

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