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「世界の船旅」スタッフこぼれ話 - 2015年9月号


雑誌「クルーズ」に好評連載中の「世界の船旅」CRUISE誌上放映。
2015年7月27日発売の2015年9月号に掲載された内容をご紹介します。

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第171話 にっぽん丸
受け継がれる伝統と情熱
東北夏祭りクルーズ

260年以上続く秋田の竿燈まつりや、巨大ねぷたが街を練り歩く青森・五所川原の立佞武多(たちねぷた)、男鹿半島のなまはげや豪快な漁師料理も登場。受け継がれてきた伝統と情熱が輝く日本の祭りを「にっぽん丸」でめぐります。

「雨ニモマケズ」

koborebanashi_2015_09-171_01東北夏祭りクルーズのハイライト、立佞武多(たちねぷた)を撮影するため、青森港から五所川原まで電車で移動しました。すると、日が暮れたころから雨に見舞われたのです。普段なら雨具の準備は怠らないのですが、国内での撮影ということでどこか油断があったのでしょう。その日は雨具をまったく持っていませんでした。

koborebanashi_2015_09-171_02ところが、この最悪の状況が心に火をつけました。カメラだけは雨にぬれないようにビニールをかけ、スタッフは雨にびしょぬれになりながらも踏ん張り、夜空に浮かぶ色鮮やかな立佞武多を追い続けたのです。おかげで情感のある映像を撮ることができ、撮影がうまくいった高揚感と充実感に満たされながら意気揚々と港に向かう列車に乗り込みました。

koborebanashi_2015_09-171_03ところが真夏の列車は冷房が効いていて、ぬれた体がどんどん冷えていきます。港に着くまでの1時間、静かな真夏の夜の電車にくしゃみの音が響いていました。

第180話 ロイヤル・クリッパー
大航海時代の夢 憬れの帆船クルーズ
ポルトガル・モロッコ・スペイン

青空の下、白い帆を張り風の力で進む帆船。大海原をゆく白鳥のような美しい姿は大航海時代の浪漫を感じさせます。旅慣れたクルーズファンが最後に行き着くといわれる世界最大級の帆船で、西地中海の歴史ある街をめぐります。

「絶景の足下は……」

koborebanashi_2015_09-180_03マスト上部まで手と足だけで登っていく、この船恒例のイベント「マスト・クライミング」。次々と乗客たちが挑戦していきます。こちらも負けじとカメラを担いで登ろうとしたら、クルーに止められてしまいました。「荷物を持つと危険だからだめ」というのです。しかし、このイベントを撮影しないわけにはいきません。

koborebanashi_2015_09-180_01何とかお願いすると、普段はクルーしか使わない滑車とワイヤーで、簡易クレーンのようにマストの最上部まで引っ張り上げてくれることになりました。ところが、サービス精神旺盛なクルーが、乗客のいる見張り台よりはるか上まで引き上げてくれたのです。今まで経験したことのない高さで、足下を見るとデッキがとても小さく見えます。

koborebanashi_2015_09-180_02後日確認すると、予想どおり見晴らしの良い海の映像が撮れていました。しかし、そこに映り込んでいた自分の足がかすかに震えていたことは事務所のスタッフには黙っていました。

第176話 フォーレンダム
南蛮貿易を思わせる オランダ船でめぐる
歴史探訪クルーズ

五つ星ホテルに並ぶ快適さと評される「フォーレンダム」。鎖国時代に外国との窓口であった長崎、欧州列強などの外国人居留地として発展した上海などをめぐります。世界を席巻した海洋王国オランダの繁栄を感じさせる船旅です。

「学びの機会」

koborebanashi_2015_09-176_01ワールドクルーズ中の「フォーレンダム」では、日本寄港にあわせて、なんと天ぷらの料理教室を行うというので取材しました。その時われわれ取材班は、「海外で味わうスシのように、名前ばかりの料理になるのでは」と勝手に思い込んでいました。しかし、実際に調理が始まると、それが取り越し苦労だったことに気付きました。

koborebanashi_2015_09-176_02エビの尾を残して殻を取り、背わたも取ってから油の温度を見て、衣を付けて揚げていく、正しい天ぷらの作り方が紹介されていました。しかも、なぜ自分はいつも天ぷらをうまく揚げることができないのか、という長年の疑問まで解けたのです。撮影を終えると、「そうだったのか」という気持ちで心が晴れ晴れとしていました。

koborebanashi_2015_09-176_03帰国後、デスクに報告して「外国人に日本料理を教わったの?」と皮肉っぽく返されても、素直に「はい」と答えられるほど、その調理法に納得したのでした。

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